宝石の名前には、いろいろな語源があります。見た目や色だけではなく、産出する土地やゆかりのある人物の名前、今は使われていない古い言葉など。
宝石の歴史を感じさせてくれますね。

★見た目が語源の宝石

むかし、赤い色の宝石はすべてルビー、青い色の宝石はすべてサファイアとよばれていましたが、種類のちがいがわかってくると、それぞれの見た目の特徴などをとらえて名付けれれるようになったようです。

ルビー

ラテン語で「赤」を意味する
「ruber」(ルベル）が語源

サファイア

ギリシャ語で「あざやかな青い石」を表す
「sappherios」（サピロス」、ラテン語で「青色」を表す。
「sapphirus」（サフィルス）が語源

エメラルド

ギリシャ語で「緑の石」を意味する
「smargdos」（スマルグドス）がラテン語の「smaragdus」（スマラグドス）、
古典フランス語の「esmeralde」（エスメラルド）と変化し、エメラルドとなった。

トルマリン

シンハラ語で「さまざまな色の宝石」を意味する
「toramalli」（トゥラマリ）が語源。

ラピスラズリ

ラテン語で「石」を意味する
「lapis」（ラピス）、ペルシャ語で「青」や「空」を意味する
「lazward」（ラズワード）が語源。

アクアマリン

ラテン語の「水」を意味する
「aqus」（アクア）と、「海」を意味する
「marina」（マリナ）を組み合わせて名付けられた。

スピネル

原石の結晶の形から、ラテン語で「とげ」を意味する
「spina」（スピナ）が語源

シトリン

「レモン」に似た柑橘類のフランス名、「citron」（シトロン）が語源
日本では「黄水晶」と呼ばれています。

ガーネット

ラテン語で「ザクロ」を意味する
「granatus」（グラナタス）が語源
日本でも「ざくろ石」と呼ばれます。

デマントイド・ガーネット

ダイヤモンドは、ギリシャ語で「征服されない」という意味の
「adamas」（アダマス）が語源
そのダイヤモンドのような強い虹色の輝きを放つことから、「ダイヤモンドに似た」
を意味する「デマントイド」と名付けられたそうです。

キャッツアイ

ネコの目のような見た目から名付けられた。
回転させると瞳が開いたり閉じたりしているように見えます。

★ことば・地名・人名が語源の宝石

地名がつくものは、宝石の旅路を感じさせる魅力があります
人名は名声や偉業を宝石に閉じ込めて表しているかのようですね

「ことば」・・・

オパール

ローマ人が「貴重な石」を意味する言葉
「opalus」（オパルス）と名付けた

ペリドット

アラビア語で「宝石」を意味する
「faridat」（ファリダット）が語源

トパーズ

「火」を意味するサンスクリット語の「tapas」(タパス）が語源

アメシスト

古代ギリシャ語で「酒に酔わない」という意味の言葉
「amethustos」（アメテュストス）が語源

「地名」・・・

トルコ石

トルコでは産出しないが、トルコを経由してヨーロッパに運ばれたため、
「トルコの石」という意味の「ターコイズ」と呼ばれた

ツァボライト・ガーネット

ケニアのツァボ国立公園で発見された。
グロッシュラー・ガーネットのうち、緑色が濃くあざやかなものだけを
「ツァボライト」と呼ぶ。

タンザナイト

1967年にタンザニアで発見された。
「ゾイサイト」という鉱物のうち、青紫色から赤紫色の透明で美しいものだけを
「タンザナイト」と呼ぶ。

「人名」・・・

モルガナイト

アメリカの銀行家で宝石収集家としても知られる。
ジョン・モルガンにちなんで名付けられた

アレキサンドライト

1830年ロシアのウラル山脈で発見された。
のちにロシア皇帝となる、皇太子アレクサンドル２世にちなんで名付けられた

スギライト

発見者の一人である日本の岩石学者、杉健一博士にちなんで名付けられた

世界文化社発行「宝石のひみつ」より

ジュエリーコーディネーター　かすみ草みち
GemMindのホームページ：gemmind.jp