リング

リングの着装効果として、手や指の表情をつくることがあります。
リングを着けた方がエレガントな印象になり、リングのデザインによって様々な表情に変化します。グラスを持つ所作や話す時の表情、髪を掻き揚げる動作などに女性らしさや美しさが感じられますね

代表的な真珠のリングのデザイン

・シンプルなリング
真珠を一つ配したベーシックなタイプでプラチナ、ホワイトゴールドなど白系地金。
周囲にダイヤモンドなどがデザインされていないものは、悲しみの席に適しています。
不祝儀から華やかな席まで幅広く使用することもできます。

・多数個使用したリング
真珠を複数個デザインしたもので、シンプルなタイプよりデザインバリエーションが多くなります。
スタイリングするシーンも多くなり、真珠や地金の色との組み合わせでイメージも変わります。

・地金や宝石と合わせたリング
デザインされた地金やダイヤモンド、カラーストーンなどを合わせたリングです。
真珠だけでは表現しにくいモチーフや模様を表現できて、楽しい雰囲気、華やかな印象になります。

リングの選び方

★手のタイプから選ぶ

＊大きな手・ふくよかな手の方
ボリュームのあるリングがおすすめです。きゃしゃなリングを選ぶと手の大きさやボリュームを際立ててしまうからです。
ボリュームのあるリングには、ぼってりとした量感のあるタイプと面積は広いけれど高さのない指にはフィットするタイプがあります。
大きな手、ふくよかな手の方は、このどちらも上手くバランスを取って着けこなすことができます。
きゃしなリングがお好きな方は何本か重ね着けをしてボリュームを出すと繊細さを合わせ持ったコーディネートができるようです。

＊小さな手、きしゃな手の方
繊細なリング、やさしい雰囲気のデザインがおすすめです。
（女性らしさ可憐さを演出できます）
ボリュームのあるリングを着けると、モダンな印象やスタイリッシュな印象になります。
ボリュームのはあるリングを着けたい方は、面積はあるが高さを抑えたタイプや細いリングを重ね着けするとバランス良く見えるようです。

★TPOから選ぶ

～着けて行く場所や目的を考える～

着ける指については、一般的に左右どちらの手に着けるかに関わらず、中指か薬指に着けることが多いようです。
（左手の薬指は既婚の女性が着ける指とされています）
最近では、人差し指や小指用のリングもあるようですね。
指の中央から外にいくにしたがって、おしゃれな印象になります。

・人差し指⇒スタイリッシュでモダンな印象
・小指⇒小粋でエレガントなイメージ
洋服や着けて行く場所によって、スタイリングの効果的なワンポイントとして着けたいですね

悲しみの席での真珠はシンプルなデザインでダイヤモンドや、他の宝石がついていないタイプを選びます。
色はシルバー系、グレー系、ブラック系などが適しています。
ゴールドや強いピンク色などは避けます。
大きさも７～８mm前後で控え目な大きさが良いと思われます。
地金の色はプラチナ、ホワイトゴールドなど白系色を選びます。

イヤリング・ピアス

世界最古の金の耳飾りは紀元前2500年にも遡ると言われているそうです。
真珠の耳飾りと言えば・・・17世紀初頭に描かれたと推測される、フェルメールの
「真珠の耳飾りの少女」などがあります。
昔から女性の耳元を華やかに飾っていたみたですね。

イヤリングやピアスも、他のアイテム同様、魔除けやお守りが起源で、耳から侵入する悪霊を払うと考えられていたそうです。

※横顔をエレガントに見せてくれる！

他のアイテムが身体の正面から見てより美しく見えるのに対して、イヤリングやピアスは横顔を飾る唯一のアイテムです。
真珠のイヤリングやピアスは、真珠自身の持つイメージからも、表情をエレガントに見せてくれます。

代表的なデザイン

①スタッドタイプ
スタッドは、飾りボタンの意味で、耳たぶにぴったり付くタイプ。
デザインも豊富でボリュームによって存在感も変わってきます。
シンプルなデザイン⇒どんな洋服にも合い、TPOも選ばず着けることができる。
ボリュームのある物⇒顔の形、表情、スタイリング等のイメージに影響があります。

②フープタイプ
最近人気のタイプで耳たぶを囲む輪っかのデザインです。
小さいもの⇒TPOを選ばず着けることができる。
大きいもの⇒動きが出るのが特徴
真珠を垂れ下がるように付けたものやフープ状に小さな真珠を配したものなど、たくさんのデザインがあります。
輪の大きさが大きいほど、又、ラインの幅が太いほど存在感があり、華やかになります。

③ドロップタイプ
垂れ下がって揺れるデザインのこと
動きがあるので、女性らしいイメージを演出するのに効果的なデザインです。
長さは、髪型や首の長さなどとのバランスを考慮すると、より素敵に見えます。
真珠が揺れる様子は華やかでエレガントな印象なので、喜びの席の装いにぴったりですね

★★他にも多くのデザインがあります★★
例えば・・・
「イヤーカフス」：耳の外側の耳輪に挟むようにつけるもの
「ジャケット」：シンプルなピアスのポストと呼ばれる芯に通してデザインを加えるもの等

真珠のイヤリングやピアスは、デザインを選べば冠婚葬祭、すべてに着用することができるので、大人の女性のマストアイテムとされています。
最近では、カジュアルなファッションにも、エレガントさを加える大切な要素として人気になってきているようですね。

イヤリングやピアスの似合う・似合わない！！

顔の形とのバランスは「良い」「悪い」というより、顔の印象がどう見えるかが大切です。
着装時の「効果」を中心に考えていきましょう

1⃣丸形タイプ
（縦横の比率が同じに近く、顎のラインが丸い顔の形の方）
「可愛らしい」印象の方なので、同じ丸形のデザインを合わせるとより愛らしさを強調します。
すっきりした印象を演出したい場合は、縦に長いデザインを合わせることで丸さがカモフラージュされます。

2⃣逆三角形タイプ
（耳から顎にかけてのラインがまっすぐで、顎が尖っているシャープな顔の形の方）
顔の形と同じ逆三角形のデザインを合わせるとより顎のラインが協調されます
下部にボリュームのある三角形のデザインを着けると丸みを感じさせる優しい印象になります。

3⃣四角形タイプ
俗にいう鰓が少しはった四角形タイプの方は硬い印象になりがちですが、やわらかいラインで下に向かって細くなっているデザインを合わせると優しいイメージにまとめることができます。

4⃣長方形タイプ
長く垂れ下がるデザインを合わせると、より長さが強調されてしまいます。スタッドタイプで横に広がるデザインは、華やかで明るいイメージを演出できます。

～ヘアースタイルとのバランス～
基本的にアップやショートのヘアスタイルは、顔のタイプが影響してくると思います。
ロングの場合は、ボリュームのあるものや揺れるものなど存在感があるタイプが良いと思います。
顔に一番近いアイテムなので、TPOやスタイリングに合わせてデザインを選ぶことで、効果的に自分の印象を演出することができると思います。

ブローチ

衣服の留め金が装飾的に発展したものと言われています。
基本的には、胸元・襟元に着けるので洋服との相性が大切になり、とてもインパクトのあるアイテムです。
男性の装飾品として人気のラベルピンも、ローチの一種といえます。
校章や社章も仲間と考えると男性にも受け入れやすい装飾品なのかもしれませんね。

ブローチの種

・ピンブローチ
スティック状の上部にデザインが施され、布をすくって下部をキャッチと呼ばれる留め金で留めるタイプ

・タイニーピン
タイタックのような金具を使用し、小さめのデザインが多いブローチです。
「タイニーピン」「ラベルピン」「ピンズ」などいろいろな呼び方があります。

・安全ピン型ブローチ
安全ピンの形状に装飾やデザインを施し、布やスカーフ、ストール、洋服などを留めるブローチです。

・機能ブローチ
呼び方は、便宜上つけたもののようです。
他のアイテムと兼用になっていたり、金具に工夫がされていろいろな使い方ができるもの。
ペンダントや帯留めと兼用になっているもの、金具によってデザインを変化させられるものなど興味深いものがあります。

ブローチを着ける位置

●ブローチを着ける基本線
⇩
襟開きの一番深いポイントと肩口のポイントを直線で結んだラインを洋服の肩幅中央まで平行移動させてライン

ラインの上の方に着けると顔に近く、表情を明るく華やかに見せる効果があります。
（華やかでフォーマルなシーンにぴったりです）

同じ線上でも、少し下に着けると日常のお出かけに敵したスタイリングになります。

※注意点
ボリュームのあるものは特に重さで傾いてしまうことがあります。
（洋服の生地が薄い時にも起こりやすいですね）
「金具の針の長さいっぱいに布をすくう」
「裏にブローチの大きさくらいのあて布をして一緒に留める」
「布の性質をみて下着のストラップと一緒に留める」など工夫をしましょう

※用途
ワッペンのようにポケットにつける
帽子やバックに飾る
ストール・スカーフ留めやボタン代わりなど

真珠のブローチの場合
真珠の形が真円に近いもの⇒デザインによってきちんとしたイメージや愛らしい表情に
バロックなどの形状⇒個性的でインパクトのある印象に

真珠のブローチはフォーマルで華やかなシーンでのスタイリングが代表的ですね。入学や卒業式のお母様方のスーツ姿、授賞式やパーティーなどの華やかな席にはぴったりです。
最近では、カジュアルなシーンにも取り入れてミスマッチなスタイリングを楽しむ方が多くなってきています。
いろいろなシーンに自分らしいスタイリングで楽しむことが一番ですね

パールジュエリーの他のアイテムとして

★ティアラ
ティアラ・ネックレス・イヤリング・ブローチ・ブレスレット・リングなど一揃いのジュエリーを「パリュール」と呼びます。
フォーマルな席にぴったりの真珠はティアラにも使われていて、より気品のある雰囲気を醸し出します。

★ブレスレット
手元のお洒落として、ショートスリーブやノースリーブなど手元が目立つ季節のアイテムとして人気があります。
秋冬でもセーターの袖の上から着けたり、袖口から覗く動きのあるアイテムとしても好まれています。

★チャーム
小さな飾りのこと。お守りの意味もあります。
ネックレスなどいろいろなアイテムにぶら下げる装飾品です
「チャームブレスレット」「チャームイヤリング」などと呼ぶこともあります

★アンクレット
足首に着けるアイエムです。
ブレスレットなどと同じように魔除けの意味があるそうです。
（どちらの足に着けるかによって、意味が違うという迷信もあるようです。）
左足⇒お守り　右足⇒恋人募集中の意味があると書かれている資料もあるそうですよ！

ブレスレットは、女性の場合18㎝が基本
それより長い23㎝～25㎝を基本とするのがアンクレット

男性のパールジュエリーについては次回、「パールジュエリー着装のマナー」と一緒にご紹介いたします。

真珠科学研究所発行「真珠の装いとマナー」より

ジュエリーコーディネーター　かすみ草
GemMindのホームページ：gemmind.jp