上手に付き合いながら
自然で生活しやすい関係を築く為に
「上手に付き合いながら社会に適応する本より」
GemMindのホームページ:gemmind.jp
アスペルガー症候群の3つの特性
アスペルガー症候群の人は、職場や学校で人間関係をうまく結べなかったり、その場の状況に合わせた適切な振る舞いが苦手な特性があります。
① 社会性の特性
アスペルガー症候群の人は、仲間意識や社会ルールというような社会常識を理解したり、人との関係を築くのが苦手な傾向があります。
長所な点
・周りに関係なく自由な発想ができる
・孤立していても好きなことをやり遂げる
・周りを気にせず、天真爛漫に生きている
・周囲の空気に惑わされない
トラブルになりやすい点
・社会の常識やルールがなかなか身につかない
・グループ意識や帰属意識がなかなか芽生えない
・人の気持ちを察することができない
・友達ができない
・孤立しがち
周りと衝突しやすい言動
・挨拶しない、礼儀をわきまえない
・その場の空気や相手の表情を読めない
・間違っていても謝らない
・社会のルールよりも「自分のルール」に従う
・飲み会に誘っても、付き合わない
・突然大声を上げるなど、場にそぐわない行動が多い
② コミュニケーションの特性
知能が高い人が多いアスペルガー症候群ですが、人との会話が苦手な特性があります。テーマや内容に興味がないと、会話が成立しません。
長所な点
・興味のあることについてはよく話す
・印象や思ったことを素直に話す
・難しい言葉づかいをすることも
・独特の言い回しをすることがある
トラブルになりやすい点
・人の話を聞けない、理解しない
・相手に合わせて会話のやりとりができない
・会話が一方通行になりやすい
・冗談やたとえが通じない
・相手の表情や身振りを読み取れない
・相手の欠点も単刀直入に言う
周りと衝突しやすい言動
・相手の欠点を指摘する
・誰にも通じない、独特な冗談を言って笑いだす
・学者のような難しい話し方をする
・相手の話をさえぎり、自分の話を始める
・人が話している途中で、別のことをはじめる
③ 想像力、こだわりの特性
アスペルガー症候群の人は、自分が強いこだわりを持つ分野では集中力を発揮します。反面、突発的な事態に臨機応変に対応することは苦手です。
長所な点
・記憶力が高く、一度見たものを忘れない
・好きな事には優れた集中力を発揮する
・反復動作や単純作業を嫌がらずにやり遂げる
・物事に真面目に取り組む
トラブルになりやすい点
・変更や中止など、予定外の事態に対応できない
・頑固で融通がきかない
・生活パターンを変えない
・興味がない発言には関心を示さない
周りと衝突しやすい言動
・自分の仕事が終わるとさっさと帰る
・仕事の変更を伝えても納得しない
・イベントなどに誘っても拒否する
・身なりにかまわず、同じ服を毎日着てくる
・季節にそぐわない服装をする
他人の気持ちが分からないと思われてしまう理由
「他者が何を知っていて、何を知らないか、どう感じているかを、自分のなかで理解する」ことを苦手としています。
他人の気持ちがわからない 報告書に客観的視点がない 冗談や皮肉が理解できない
褒められていても、けなされていると感じてしまうなど
他者の言動を勘違いしてとってしまうことが多い
※アスペルガー症候群の人にものを伝えるときには、「具体的にはっきりと、そして本人の特性を否定せずポジティブに」伝えることが大切です。
自分が・子どもが・身内が
アスペルガーかもと思ったら
アスペルガー症候群や発達障害は、気付いた時点でなるべく早めに診断を受け、生活スキルを学ぶのが一番理想的な対処法です。
子供の場合
各市町村にある児童相談所や保健所、発達障害者福祉センターに相談し、そこから児童精神科や小児神経科医などに見てもらいます。
小中学生の場合は、更に精神保健福祉センターもあります。ここでは子供の発達や行動面の問題、家庭内暴力や引きこもりなど心の健康相談も行っています。
※ほとんどの機関では、保護者だけでも相談を受け付けています。子供が一緒に行くのを嫌がった場合には、まずは保護者だけで相談に行ってみましょう。
成人の場合
発達障害に詳しい精神科や心療内科を受診しましょう。
女性の場合は、それに加えて体調不良を治療してくれる女性外来が良いでしょう。
(アスペルガーの女性は、男性よりも体調不良になりやすいため)
●初診時の面談に備えて
(面談時の質問にスムーズに答えられるようにあらかじめメモを作っておくと効果的です)
・現在の症状(精神症状・身体症状)
・困っていること
・いつから症状があるか
・子どもの頃の様子
・家庭環境について
・仕事歴・勤務状況など
・最近起こった変化など
・対人関係や自分の性格
・病歴や服用している薬など
どんぐり発達クリニック院長:宮尾益知先生の文より
アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害の中でも言葉や知的の遅れがない障害です。そのため、幼児期から気づかれにくく、療育されることが少なかったために、成長して社会に出てから、人との関わりから社会生活に至るまでさまざまな困難に出会うことになります。
鬱や不安障害、強迫性障害などの二次障害にいたり、発達障害に造詣の深い医師の受診を受ける人が増えるにつれて、この障害の診断・研究がだんだんと進んできました。特徴としては、相手の気持ちを想像することが苦手で、遠まわしな表現や比喩を使った表現、表情やしぐさから相手の感情を読み取ることに困難さがあり、自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりします。
初めてのことが苦手で、マイナスな部分に注目してしまいパニックを起こすこともあります。
周りとの人間関係を理屈だてて少しずつ構築していく
私たちが、当たり前のように学校や職場でいろいろな人と一緒に仕事をし、家に帰るとどうやって時間を過ごすのか、家族と話をしていくのか、など自然に行っていることを、理屈をつけて背景も考えてまるで芝居のように作り上げていくのがアスペルガー症候群の人たちです。彼らに対するとき、私たちはどうやって毎日の生活を自然に、肩の力を入れずに過ごしていくのかをもう一度考え直してみましょう。
そのことを、まるで舞台上の話のように作り上げる手伝いをしてあげましょう。
心理カウンセラー かすみ草みち