「もの忘れがひどくなった」と感じることが増え、不安に思われることはないでしょうか?
もの忘れと認知症の違いって?
●老化によるもの忘れ
出来事の一部を忘れる。 もの忘れの自覚がある。 人との関係が分かる。
●認知症
出来事自体を忘れる。 もの忘れの自覚がない。 人との関係が分からない。
あれっと?と思ったら一人で抱え込まずに相談しましょう!
心配なことは一人で抱え込まないことが大切です。
誰かに話し、相談してみることは認知症について、正しく理解することにもつながります。
そして、一緒に考えていくことで、気持ちも楽になります。
例えば
・うっかり約束を忘れてしまう・・・
・通帳など大切な物の置き忘れやしまい忘れが増えた・・・
・何をするのもおっくうで、趣味や日課をやめてしまう・・・
・なぜかイライラすることが増えた・・・
早めに医療機関を受診したい場合は⇒かかりつけ医や認知症サポート認知症相談医ものわすれ外来など
すぐに医療機関を受診するのは少し抵抗がある。かかりつけ医がいない・わからない。これからのことを気軽に相談したい場合は⇒地域包括支援センターや各区地域福祉課など
早めに相談してみましょう。
受診するときは、次の情報をメモしておくと状態を伝えやすくなります。
*現在困っていること・周りの人からよく言われることなど
*これまでと違うと気になり始めた時期や内容
*これまでにかかった大きな病気やケガについて
*現在治療している病気やケガ、通院している病院について
*現在使っている薬について(お薬手帳や、飲んでいる薬を持参しましょう)
上手な診察の受け方とポイント
*あらかじめメモしたものを医師に見せながら聞く。
*大事なことはメモをとりながら聞く。
*難しい言葉は医師に頼んで書いてもらう。
*医師からの説明でわからなかったことは、わかるまで聞く。
*重要な検査や症状などの説明は、信頼できる人と一緒に聞く。
自分らしく過ごすためにできること
①生活の工夫
・楽しく会話をする・大事なことや予定はノートに書き留める・身体を動かす・地域の活動に参加する・新しいことにチャレンジする・バランスの良い食事をとる・新聞や本を声を出して読む・かかりつけ医に定期受診する・大事な人に相談する
②つどいの場に出掛けてみる
孤立防止や介護予定、生きがいと健康づくりなどを目的として、高齢者・障がい者の方などと地域住民(ボランティア)が公民館や集会所に定期的に集まって仲間作りや交流・ふれあいの場を広げる活動です。〔詳しくは居住地区の社会福祉協議会にてお尋ね下さい〕
③認知症カフェ
認知症の方やその家族と、地域の方、専門職が一緒につどい交流し、認知症やくらしの工夫などの情報を得ることで、ともに認知症の理解を深めることのできる場所です。
認知症は高齢者の病気??
認知症は、一般的には高齢者に多い病気ですが、若い世代の人でも発症することがあります。65歳未満で発症した認知症を、「若年性認知症」といいます。
若年性認知症の場合、現役で仕事や家事をしている人が多く、仕事でミスが重なったり、家事がおっくうになっても、それが認知症のせいとは思い至らないことがあります。
若い人でも認知症になることを理解して、自分自身や周囲の人の様子に変化があった場合には、早期診断・早期治療のため、医療機関への受診を考えましょう。
認知症かもしれないと思ったら⇒まず医療機関を受診し、原因をつきとめることが必要です
早期対応が大切な理由
1⃣:認知症のような症状を起こす原因の病気は様々であり、その原因によっては、治る病気や、別の病気が隠れている可能性があります。認知症と間違われやすい病気には、うつ病・睡眠時無呼吸症候群・脳出血・脳腫瘍・甲状腺機能低下症・正常圧水頭症・ビタミンB12欠乏症などがあります。また、薬剤の副作用で認知症のような症状が生じることもあります。
場合によっては、命に関わることもありますので、十分に注意が必要です。
2⃣:認知症であっても、早期に診断を受け治療を開始することで、進行を遅らせ、自立した生活を長く続けることができると言われています。
3⃣:早期に診断を受け、症状が軽いうちに家族や周りの人と話し合うことで、ゆっくりと病気と向き合い、今後の生活の備えをすることができます。
「もの忘れ」は加齢に伴い、誰にでも生じますが、「認知症」の可能性もあります。
「あれ?」と思うことがあれば、まずは医療機関を受診しましょう。
認知症介助士 かすみ草みち