高齢者のうつ病は、老化現象や他の病気の症状に隠れてしまって、本人も周りの人も気づかないということが少なくありません

症状も若い人たちのうつ病とは異なる特徴がみられて、悪化すると「自殺」に至る危険性も高くなるといわれています。

「健康の不安の陰に潜む」⇒⇒⇒⇒うつ

うつ病は他人事ではありません
うつ病というと、働き盛りに多い病気!という印象が強いですが、統計的によれば高齢期のうつ病の患者数は決して少ないとはいえません。
とくに、女性の場合は極めて多いこともわかっているそうです。

高齢期に誰もが経験する健康不安や、生活環境の変化が関係しているため決して他人事とはいえませんね。

うつ病を引き起こす要因

●喪失体験
配偶者や親友など身近な人との離別や死別(ペットも含みます)

●役割の喪失、社会的孤立
定年退職・子どもの独立・住宅ローンの完済

●病気、身体機能の低下
入院や長期治療を伴う病気。疲れがとれない。もの忘れ
動作や反応の鈍化

●住環境などの変化
転居(子どもさんとの同居など)、施設入所

●慢性的なストレス
配偶者など家族の介護、経済的な問題、気力低下、人間関係のトラブル
病気の不安や死への恐怖など

※身体疾患や薬剤が影響する※
高齢者のうつ病は、慢性疾患がもとで発症するケースも多いといわれます。
脳血管性の障害・薬剤の影響からうつ病を発症することもあります

注意:高齢者の場合、投与する薬剤についてお医者さんが注意して処方しても、服用したことを忘れて再度服用してしまったり、又、複数の病院にかかって類似した薬剤を重複して処方されていることに気付かなかったりなど、過剰摂取してしまう危険性があるので注意が必要です!

[体の変調]に気付いて!! ~うつ信号~

高齢者のうつ病の特徴

うつ病の典型的な症状として
「一般的な症状」:気分の落ち込みや悲哀感情・内向的になったり無口になったり
「高齢者のうつ病」:一般的症状があまり現れず、歳のせい・・などと見落とされる
  ・身体的症状が強い
   心の不調よりも頭痛、吐き気、肩こり、関節痛、耳鳴り、不眠など身体のトラブル
   が強く現れます。
   (他の病気によって起こり得る症状がほとんどなので、判断が困難らしいです)
  ・不安や焦燥感が強い
   さまざまな心配事、ストレスからくる不安、焦燥感から落ち着きがなくなりイライラ
   したり、じっとしていられず動き回ったり・しゃべり通しになったりが目立ちます。
  ・意欲や集中力の低下
   反応が鈍く、ぼんやりしていることが長くなります。疲れやすくなったり、これまで
   楽しんでいた趣味などにも関心を示さないなど興味や喜びの感情が乏しくなります。

   ☝  ☝  ☝  ☝
   このような症状は、うつ病の原因かもしれません。周りの方はこのサインに早めに
   気づいてあげることが大切ですね
   

「うつ病」と「認知症」

しっかり見極めて適切な処置を!!

◎(気力の低下)や(物忘れ)など、高齢者のうつ病には認知症の症状と共通点が多いです

認知症との関係性:・認知症の初期にうつの症状が現れることがあります
         ・うつ病の既往があると、認知症になりやすいそうです。

うつ病と認知症には共通点や深い関係性がありますが、「高齢者のうつ病」
「認知症に伴ううつ病」とではメカニズムも治療も異なるそうです。
おかしいなと感じたときは、早めに医療機関を受診し、専門医の判断を仰ぎましょう。

うつ予防⇒焦らず・無理せず・こだわらず

自分でもできる「うつ予防」
うつ病はストレスや生活環境、健康問題などさまざまな要因が重なり合って起こります。
「自分はうつ病なんかに縁がない」と思いがちですが、うつ病患者さんの多くは「まさか自分が!」と思っています。
疲労やストレスを感じたときは無理をせず、しっかり休養をとり心身をリラックスさせましょうね。

★1日3回しっかり食べましょう
★限界になる前に休養をとりましょう
★ゆとりある生活を!
★趣味や運動を楽しみましょう
★外に出る機会を増やしましょう
★たくさん・たくさん笑いましょう

心地よい眠りを!!
快適な睡眠は、毎日の生活リズムを整えて、健康を維持していくためには欠かせないものです。不眠はうつ病の特徴的な症状の一つです。
慢性的な不眠がうつ病に移行することもあります。睡眠時間を確保することだけではなく普段から質の良い睡眠をとることを心がけましょう。

:できるだけ毎日同じ時刻に起床する
  朝起きたら、カーテンを開けて太陽光を浴びる
  朝食をきちんととる

:適度に体を動かすように心がける
  眠気けを感じたら、軽く昼寝をしてもよい(ただし、午後3時以前の20分程度)

:就寝前は音楽や読書などで体をリラックス
  入浴はぬるめの湯でゆっくりと!
  就寝前のカフェインやアルコールは控えましょう

お酒との上手な付き合い
お酒には心身をリラックスさせる効果があります。ストレス解消にも役立ちますね。
ただし、適量を超えた飲酒は、生活習慣病の原因となるばかりでなく、アルコール依存症を引き起こしてしまう危険性があります。
アルコール依存症がうつ病と合併すると自殺のリスクが高まるので、くれぐれも適正飲酒を守るようにしましょう。

※※心がけたい事※※
・飲み過ぎにならないように注意し、少なくとも週に2日は禁酒!
・食事やつまみをとりながら、時間をかけてゆっくり飲みましょう
・一人で飲まないで、仲間と一緒に楽しく飲みましょう

「介護する側」のうつ病

「老々介護」の増加は深刻な問題ですね。
介護する側の多くは、健康問題や心の病気を抱えながら暮らしている実態が
明らかになっています。
介護する人は、日頃から自分の心身を守る対策を講じておくことがとても大切ですね

介護うつにならないために
・自分のすべてを犠牲にしないように
・同じ境遇の仲間を持ちましょう
・「親や配偶者の面倒を見るのは義務」とこだわらない
・自分の時間を持つようにしましょう
・上手に介護サービスを利用しましょう

身近な高齢者の方がうつ病になったら・・・・
◆ゆっくり休ませてあげましょう
◆干渉し過ぎないようにしましょう
◆重大な決断は後回しにしてあげましょう
◆「あなたの味方です」ということを伝えましょう
◆うつ病を自覚させ、病院へ付き添ってあげましょう

うつ病の予防には、日々のストレス解消や十分な休養が不可欠です。
みなさんは頑張りすぎていませんか?
ときには肩の力をぬいて、心身ともにリラックスしましょう!!

精神福祉保健センター冊子より

認知症介助士・ゲートキーパー かすみ草みち


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「寄り添う心を大切に」・・かすみ草みちとして活動をしています。
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