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~認知症の人の世界を理解し
     よい介護をするために~

川崎幸クリニック院長
杉山孝博先生著

上手な介護の12ヶ条
      (7~12条)後編

第7条

「仲間を見つけて、心軽く」

どんな便利な制度や介護用品でも、それを利用するときには心理的負担(心理的ハードル)があります。その負担の大きさは、その人の性格、介護の経験、地域社会の理解などによって変わりますが、介護の経験者や専門家のアドバイスによっても大きく変わります。第6条の「囲うより開けるが勝ち」と同じことになりますが、気の合った仲間を見つけ相談できることは、介護を楽にする大切なポイントとなります。

・普段から何でも話せる知人を一人は持つこと
・家族の会など同じ悩みを持つ人たちの集まりに積極的に参加すること
・特に隣近所の人達との付き合いを大切にして気軽に頼み合えるようなつながりをもつこと
☝重要ですね

第8条

「ほっと一息、気は軽く」

ディサービス、ショートステイ、訪問介護などの利用や、隣人への依頼などによって、介護者はむしろ積極的に息抜きをしてほしいものです。

一生懸命に介護しようとするあまり頑張りすぎて行き詰まってしまうことがよくあります。

上手に介護していくためには「私も割り切って休むことも必要なんだ」と思うべきですね。

・「この程度のことで休もうとするなんてだらしない
・「年寄りを老人ホームに預けて自分たちは旅行に行くなんてけしからん」
・「私がホームヘルパーとしてきて一緒に看てあげようと思っているのに、家族は本人をおいて買い物などで外出してしまう」
・「本当に困ったときでなければ制度は利用できません」

*24時間介護を続けてきて、ほんのわずかでも息抜きしたいとおもっている家族に対して、上記のようなつらい言葉を投げかけないでほしいですね。

介護力を維持・強化するためにも息抜きの時間を積極的につくることは必要条件といってもよいと思います。

※自分が同じ立場だったら、どう感じるかを考えながら、介護しやすい環境作りをしていくことが大切ですね。

第9条

「借りる手は、多いほど楽」

どのような援助でも、初めて受ける場合ほとんどの人は「心理的ハードル」を感じます。

遠慮・気兼ね・生理的な拒絶)などにより受け入れようとしないのです。
⇩そうなると・・
援助したいという人がいても、制度が充実していても、介護の負担の軽減には結びつきません。

★援助の手をたくさんつくるとともに、それを気軽に気持ちよく利用できるような雰囲気を作り出すことが非常に重要になります。

例えば!
*ある人に直接お返しが出来なくても、別な人が困っていたときにはその人にお返しすればよいのではないか?
*たとえお返しができなくても私が積極的に利用することは他の人が利用しやすいのではないか?
などと考えてはいかがでしょうか。

誰も助けてくれないと嘆かないで、自分のまわりをみて利用できるものは最大限利用して、長続きのする介護に心掛けましょう。

第10条

「ペースは合わせるもの」

時間が長くかかる」ことにがまんできないことよりも、「ゆっくりしたペース」にがまんできないことが多いようです。

早くしなさい」「先ほど注意したばかりでしょう」「いいかげんにしてちょうだい」「もう手を出さないで」というような、督促注意禁止などの言葉がでてくるようです。
          ↓
「感情残像の法則」により、認知症の人はますます介護者のいうことを聞いてくれなくなってしまいます。

●認知症の人の人格を認めながら、子供をあやすように接し、最終的に認知症に伴う混乱を避けること、これはかなりの高等テクニックとのことです

*「認知症の法則」などの認知症の症状の特徴と老人の心理を知る
*相手の世界を知り、アドリブでセリフをしゃべれる俳優(女優)になる
*福祉制度や介護用品についての知識を深め、実際の介護に適切に生かす
*いろいろな人との交流を通して他の人の経験を自分の介護に生かす

「 介護原則=認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする 」
を思い出してみましょう!

認知症の人のペースに合わせることが結局、介護にかかる精神的身体的物理的(時間的)負担を軽くすることに繋がると思われます。

第11条

「相手の立場でものを考えよう」

相手の立場にたってものを考えるためには、それなりの知識と経験を必要とします。

どのように深い知識や経験をもっていても、相手iのことをすべて知ることはできませんから、自分の考え方の枠を押し付けないで、相対的な考え方、つまり寛容さが大切となります。

重要なことは、認知症の人を「二度童(わらし)」として、赤ちゃんと同じように理解し受け入れてあげられる社会全体の雰囲気作りではないでしょうか。

そのためには、医療機関や福祉施設などの専門機関が認知症の人を、治療や介護が困難で迷惑な存在としてとらえず、あるがままに受けいれていただくことも大切ですね。

おもいやり」の気持ちで、「お互い様です」と言い合えるような人間関係を作り上げていきたいですね。

第12条

「自分の健康管理にも気を付けて」

日本精神病院協会の調査結果(介護者の悩み)

体が疲れる 睡眠不足になりがち 病気がちでふさぎこみがち 自殺や心中を考えたこともある この先の不安感がいつもある 無気力 家族にあたりちらす 自分の自由になる時間がない 家庭生活そのものが不安 家出を考えたこともある など

(認知症の人と家族の会の調査)より

・高齢者の介護者が多いこと
・たった一人で介護しなければならない例が少なくないこと
・家事や仕事に気を許せない介護が加わること
・介護がいつまで続くのかわからないという将来に対する不安があること

介護者の健康管理は非常に重要です

介護者の身体的・精神的・社会的(家庭的)健康が家庭介護の最もの基本です
(年1回の健康診査は必ず受けるようにしましょう)

認知症介助士 かすみ草みち 

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「寄り添う心を大切に」・・かすみ草みちとして活動をしています。
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・終活カウンセラー1級・遺品整理士
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