地域包括支援センター
65歳以上の方への、介護・医療・保健・福祉の総合相談窓口
全国に5351個所あり大まかに中学校の学区に一つあります。
※65歳以上の方であれば相談できます。介護が必要になるまえでも、健康に不安が出てきて自分ひとりでは心もとないようであれば積極的に利用することをお勧めします。
4つの業務
「介護予防ケアマネジメント」
「総合相談」
「包括的・継続的ケアマネジメント」
「権利擁護」
〇総合相談
高齢者の各種相談に幅広く対応しているので、困ったことがあったら相談できます。その相談に対して、必要なサービスや制度を紹介してくれます。
〇介護予防ケアマネジメント
要支援と認定された人や、支援や介護が必要となる予備軍に、体の悪化を防ぎ、自立した生活が継続できるように介護予防の支援を行っています。
安全に歩行できるか、交通機関は使えるか、家庭生活を含む日常生活の状態はどうか、(社会参加・対人関係・コミュニケーション)はどうか、健康管理や精神面(うつ・認知症)はどうかをチェックします。そして、近い将来、要介護状態になる恐れがあれば、介護予防ケアプランを作成します。そのうえで、「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能向上」「閉じこもり予防」「認知機能低下予防」「うつ予防」などの介護予防サービスを紹介してくれます。
〇権利擁護
高齢者の方が安心して生活ができるように支援します。例えば、判断能力の低下により金銭感覚が出来なくなった高齢者に、金銭的詐取や詐欺から身を守るための成年後見制度の活用をサポートしたり、虐待被害の対応、防止、早期発見を行ったりと、高齢者の権利を守る取り組みです。
〇包括的・継続的ケアマネジメント
高齢者にとって暮らしやすい地域にするため、地域ケア会議の開催や、ケアマネジャーへの個別相談・アドバイス・支援困難事例会等への指導など、自立支援型ケアマネジメントの支援をします。
介護をうけるには・・・
介護を受けるには、認定が必要!
*介護保険の申請の仕方
介護保険は65歳以上になれば受けることができます。
それには、要支援1から要介護5までの認定を受ける必要があります。認定されれば、そのレベルに沿った支援や介護を保険の範囲内で受ける事ができます。
(認定の申し込みは⇒地域包括支援センターや役所の介護保険相談窓口など)
※申請には介護保険被保険者証と申請書、そして印鑑が必要。
申請書は窓口に行かなくてもホームページからダウンロードできる市町村も多いです。
申請書には主治医の氏名、医療機関、所在地を書く欄があります。自分が治療を受けている医師を書けばいいのですが、いない場合は、役所の指定した医療機関で診断を受けます。その場合は、認定が軽く出る場合があるので、なるべく自分のことを知っている主治医を選んでください。役所はその主治医に、認定についての意見書の作成を依頼します。
支援・要介護のレベル
要支援1:日常生活の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができる。一部に介助が必要とされる状態。
要支援2:要支援1よりも、立ち上がりや歩行などの運動機能に若干の低下が見られ、介助が必要とされる状態。
要介護1:自分の身の回りのことはほとんどできるものの、要支援2よりも運動機能や認知機能、思考力や理解力が低下し、部分的に介護が必要とされる状態。
要介護2:要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、食事や排せつなど身の回りのことについても介護が必要とされる状態。
要介護3:食事や排せつなどが自分で出来なくなり、ほぼ全面的に介護が必要な状態を指します。立ったり歩いたり できないことがある。
要介護4:要介護3よりも動作能力が低下し、日常生活全般に介護が必要な状態。
要介護5:最も重度な状態。一人で日常生活を送ることがほぼできず、食事や排せつのほか、着替え、寝返りなど、あらゆる場面で介護が必要とされる。意思の疎通も困難な状態。
要介護の認定
申請をすると、要介護の認定をするかどうかの判定が行われます。
判定は2つのステップで行われます。
1次判定:市町村の担当者による申請者への聞き取り調査と、主治医の意見書をもとに判定します。それらの情報をコンピューターに入れ、支援や介護などのレベルにあるか検討します。
2次判定:その結果をもとに、医療・保険・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が行われます。
*介護保険には要支援1と2、要介護1から5の7つのレベルがあります。
*判定内容は申請から30日でわかります。
なお、判定に納得できない場合は介護認定審査会に再審査を申し込むことができます。
最近は判定が厳しいので、諦めずに申込みましょう。ただし、認定が下りてから60日以内にする必要があります。
要介護か要支援が決まったら
要介護度のレベルが決まっても、すぐに介護保険のサービスは使えません。サービスを開始するには、ケアプランを作成し、役所に提出しなければなりません。
ケアプランとは?
「いつ、どこで、どのようなサービスを、どんな目的で利用するか」をまとめたもの。
素人が、このケアプランを作成するのは無理なので、要支援の認定の人は、地域包括支援センターに作成を手伝ってもらい、要介護の人は、都道府県の指定を受けたケアマネジャーに作成を支援してもらいます。
●要支援の人が提出するケアプラン⇒「介護予防サービス計画書」
●要介護の人のもの⇒「介護サービス計画書」
ケアマネジャーを探すには、地域包括支援センター(あるいは、役所の介護保険課)に行けば、ケアマネジャーのいる事業所の一覧を渡されますので、そこから選ぶことになります。
しかし、一覧だけではわからないと思いますので、その場でどのような人が希望かを言って相談しましょう。忙しくなければ答えてくれると思います。
要介護認定でチェックされる項目(大きく5つ)
1、身体機能・起居動作
生活する上で必要な基本動作をどの程度できるか確認
2、生活機能
「食事摂取」「排尿」「上衣の着脱」「外出頻度」など、日常生活に伴う行動ができるかどうかを中心に確認。
3、認知機能
「生年月日や年齢を言う」「自分の名前を言う」などの項目により、意思の伝達ができるかどうか、短期記憶ができるかどうか、自分がいる場所を答えられるかなどを確認。
4、精神・行動障害
過去1ヶ月に「社会生活を送る上で不適切な行動があったか」「あった場合、頻度はどの程度だったか」を確認。
5、社会生活への適応
金銭感覚、買い物や簡単な調理といった社会生活を行う能力、および集団に適応することができるかどうかを調査。
介護保険で受けられるサービス
◆訪問介護(ヘルパー)
自宅を訪問したヘルパーが、利用者を手助けするサービス。
買い物や料理、洗濯などの「生活援助」と、排せつ、自宅の風呂での入浴などの「身体介護」があります。
◆通所介護(デイサービス・デイケア)
自宅からデイサービスやデイケアに利用者を送迎し、食事、入浴、リハビリ、レクレーションなどを行います。
◆訪問看護
病気やケガなど医療の必要な人に、看護師が自宅を訪問。健康状態の観察や、床ずれや湿疹の手当て、人工肛門や人口膀胱の管理、点滴の管理などのほかに、入浴や排せつの介助、マッサージやリハビリも行う。
◆訪問リハビリ
理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、起き上がりや歩行などの基本動作、体操、作業などを通じてリハビリを行います。そして、食事、着替え、トイレが自分でできるようにします。
◆住宅改修
要支援1以上の人は、介護保険で住宅改修もできます。
※他にも、自治体独自の「地域密着型サービス」もあります。
※介護保険は要支援1から要介護5まで、そのレベルに応じて、使えるサービスの回数や費用が決まっており、ケアプランを立てるときは、それらのことを考慮して計画します。
認定によって、受けられるサービスと費用が違う!
高齢者ホームの種類
・介護付き有料老人ホーム
特定施設入居者生活介護と呼ばれるサービスを提供する許可を受けているホームです。そこで、介護されます。
・住宅型有料老人ホーム
許可を受けていないので、介護を受けるときはホームの外の事業所からサービスを受けなければなりません。
・グループホーム
認知症の人を対象に改善を目指して、その施設の仲間と食事を作ったり、掃除もしたりする共同生活型のホームです。ただし、重篤になったり医療のケアが必要だったりすると退所することになります。
・特別養護老人ホーム
「特養」とよばれ、重篤な要介護者も入居できます。公的機関なので、費用もかなり安く抑えられます。そのため、入所するハードルは高く、要介護3以上でないと入れません。
・介護老人保健施設
自宅復帰を目指した施設で、要介護1以下の人が入れます。例外はありますが、通常3ヶ月から6ヶ月で退所となります。
・介護療養型医療施設
↑介護老人保健施設の医療付きになる。
・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
介護の有資格者が常駐している高齢者住宅です。
・健康型有料老人ホーム
自立している高齢者を対象にした食事付きのホームです。
・高齢者専用賃貸住宅
高齢者のみを対象にした賃貸住宅ですが、現在は「高齢者住まい法」改正により、サ高住への登録切り替えが行われています。
・高齢者向け優良賃貸住宅
↑高齢者専用賃貸住宅の各都道府県からお墨付きを受けたもの。これもサ高住への登録切り替えが行われてます。
・シニア向け分譲マンション
高齢者を対象にした分譲マンションで、所得権を有した資産として、売却、譲渡、賃貸、相続などが可能になります。
・軽費老人ホーム
自立に不安があり身寄りのない高齢者が、低価格で入居できる施設です。
・ケアハウス
60歳以上で、自立に不安があり、身寄りがなく家族の援助を受けられない方を対象にした施設です。
入所に当たっての注意
入所の目的をはっきりさせること
介護も看取りもホームでと思っているのに、他の要素に惹かれて、あとから後悔しないようにすべきです。
目的と同時に何を優先させるか決めておいたほうがいいです。
予算は、ギリギリだと病気になった時のこともあるので、余裕を見て決める必要があります。
民営の高齢者ホームを選ぶ際に、気をつけたいのが倒産です。多額の入所金が戻ってこないケースもあります。
看取りをうたっていても、実際、できないケースがあります。これはホームによってまちまちなので、必ず確かめましょう。
ホームの雰囲気が自分の気持ちと合うか確認しましょう。実際、見学するだけでなく、体験入居もお勧めします。
2017年4月から基本チェックリストというものが導入されました。要介護までいかなくても、今後そのような可能性がある人に、基本チェックリストで診断してもらい、介護予定の取り組みに参加してもらうシステムです。
65歳以上なら誰でも受けられます。各市町村が主催する介護予防の事業やサービスに参加できるものもあるので、積極的に考えてもいいと思います。
終活カウンセラー かすみ草みち